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八代亜紀さんのレア・トラックス(配信&サブスクリプション編)。 [音楽]

いよいよ仙台市の図書館も、ほぼ厳戒態勢というか、開館時間が短縮になり、書架への立ち入りはできなくなりました。webかカウンターであらかじめ予約をしたモノだけを借りることができ、その受け取り、そして返却を中心とした業務のみという、もはや図書館なのかなんなのかわからない、かろうじて図書館である……みたいな感じになってきております。
それでもこれがもし、一時的にでも「閉館」となったら、生活からうるおいが、どれほど消えてしまうことでしょう。
予想もつきません。

八代亜紀さんのCDは、仙台市の図書館では、オレの推奨するテイチク時代のベスト盤などは非常に少なく、コロムビア時代のものが中心になっています(現在の亜紀さんは、『夜のアルバム』などの縁があったのか、ユニバーサルに在籍されているようです。新曲『明日に生きる愛の歌/ワタシウタ』もユニバーサルから発売)。
オレは、コロムビア時代の亜紀さんというと「竜二」なんか好きなんですけど、テイチク時代のヒット曲の再録音は、ちょっとしんどくて聴いていられないんですね。どうしても比較してしまうし、亜紀さんの再録音ものって、基本的にあまりコンディションのよくない時にレコーディングされていることが多いので、ちょっと音がヨレたり、十分出ていなかったりで、いささかつらいものがあるんです(辛口だな~、オイッ!)
というわけで、どうしてもテイチク時代にこだわってしまいがちなのですが、前にも書きましたけど、このテイチク時代、とにかくレコーディングの量が膨大。
「もう大体いいだろう」と思っていても、どこかの安価なコンピレーションに、未知のカバー曲が入っていたりすることはザラでして、もう、キリがないのです。
そうでなくとも、まだまだCDとしては手つかずのカバー曲、オリジナル曲、シングルB面曲などあるため、本当に本格的にコレクトすることは、ホンモノの「お大尽」の方におまかせすることにしたいと思っています。
まぁ、そんな中でも、2014年、配信限定

『八代亜紀 テイチクイヤー・セレクション』

というシリーズが、全部で5タイトル出ておりまして、中にはヒット曲や、その後CD化された楽曲も含まれてはいるのですが、そんな中に珍しいカバーも、多く含まれております。
レコチョクなどでも買えるのですが、Amazonでも販売されており、他のところに比べると、1曲単位での価格が、少しだけお安くなっていたりします。
個人的なおすすめは、まず、こちらのVol.2。


「恋あざみ」「うしろ姿」「石狩挽歌」「なごり雪」といった名カバーのほか、ちょっと仕上がりが雑ですが貴重な「酒場にて」、そして「夢一夜」、悪いわけがない懐メロカバー「船頭小唄」といったあたりの、今のところCDでの入手がやや難しい楽曲が含まれています。

そして、こちらのVol.5。


このカバー曲集の中では「意気地なし」「昔の名前で出ています」といったあたりが貴重で、亜紀さんの歌う「男歌」の醍醐味を、存分に堪能することができると思います。
特にムード歌謡の場合、

女心男性歌手が歌い、それを女性である亜紀さんがカバーする」

という、ちょっと複雑な構造になることも多いのですが、かつて亜紀さんが自らの歌手生命を賭けて出場したTV番組『全日本歌謡選手権』の場においては、主にその「女心を男性歌手が歌」った楽曲で勝負し、勝ち抜いて行った、ということがありましたので、こういったカバーは、亜紀さんにとっては、まさに自家薬籠中のもの。
特に「意気地なし」のサビ前、「私からあなたを取るのなら」のあたりの、やや低音で攻めてくるあたり、なかなかスリリングでゾクゾクしてしまいます(立派な変態です。変態という名の紳士?)。
これら5枚(?)の配信アルバム、聴き放題のラインナップにも入っているようですし、それぞれ試聴もできますので、気になった楽曲があれば、ちょっと探ってみてはいかがでしょうか。


☆テイチク時代の主なヒット曲と、カバー曲集(セレクトもなかなか)の2枚組。


☆好評発売中の最新シングル。トラック3の、ピアノとの一発勝負で録られた「舟唄」が素晴らしいのです。

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大林宣彦監督に感謝。『時をかける少女』は永遠です。 [映画]

大林宣彦監督が、亡くなった。
最新作『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』の公開を控えて、昨今の諸事情もあって当初の公開予定日が延期となり、その劇場公開を待たずに、旅立ってしまわれた。
大林監督といえば、まずは「CM界の巨匠」ということで、チャールズ・ブロンソンソフィア・ローレンといった海外の大物スターとの仕事をこなし、「古びた洋館「で」ではないところに注意!)、訪れた少女たちが食べられて行く」というカルトなファンタジック・ホラー『HOUSE ハウス』で映画監督としてデビューされたのだが、実は今でいうメディア・ミックスの一種として、同じ原案をもとに映画の公開前、『オールナイトニッポン』で特番としてオンエアされたラジオドラマ、これが本当にコワかったのだ。
木之内みどりさん、岡田奈々さんら、70年代の人気アイドルたちをメインキャストに、ある意味正統派ホラーとして作られたこのラジオドラマ、CMになってもトイレに行けなくなるほどのコワさで、映画への期待は高まるばかりだったのだが、実際、映画館に行ったオレの眼前に展開された『HOUSE ハウス』の世界は、どこかふざけているような、面白がっているような、「不思議」としか言いようのないものだった。
そんな、ある種いびつな出会い方をしたオレと大林監督作品ではあったが、その後は『転校生』『青春デンデケデケデケ』など、ほぼ、良作・名作が続いた(『漂流教室』など、一部例外もあるにはある)。
特に、ごく個人的に、ということで行くと、やはり原田知世さん主演の

『時をかける少女』、

そして、富田靖子さん主演の

『さびしんぼう』。

このあたりは、やはり忘れがたい。
『時をかける少女』の頃の原田知世さんは、オレの脳内における「“カワイイ”のテンプレ」みたいなもんだし(過去形ではない!)、『さびしんぼう』のクライマックスには、もう本当に、涙で海ができるんじゃないかと思うくらい、泣かされた。


身に病を抱えながらも、最期まで映画への情熱を燃やし続けた、大林監督。
少し休まれたら、またそちらで新作を、撮ってください。


☆『時をかける少女』エンディング


☆『時をかける少女』は、ブルーレイ出てるけど品薄状態。
こちらはプライムビデオへのリンクです。


☆『さびしんぼう』は、ブルーレイ出てないんだな。
こちらもプライムビデオへのリンク。


☆おまけで『HOUSE ハウス』の、プライムビデオへのリンクも。

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演歌の“あやや”=島津亜矢さん、も、いいじゃないか! [音楽]

4月になって、いろいろなことが変わりました。
TBSラジオでいうと、マムちゃん(毒蝮三太夫さん)『ミュージックプレゼント』が、これまでの毎週金曜日午後から、毎月最終土曜日の朝10時台、ナイツ『土曜ワイド ラジオTOKYO』の中へお引っ越しとか(つまり「月イチ」放送になるわけです。ご注意ください!)、毎週金曜の朝ワイドでコーナーを持っていたアナログタロウさんが隔週出演になったとか(きょう4月10日は出ていましたので、次は24日、ということ)。
というか、いまは日々いろんな物事が変化しつつあるわけですが、「緊急事態宣言」が出たある街では、なんと図書館が閉館! なんていう、淋しい話もラジオで耳にしました。
図書館が閉館してしまう、というのは、なかなかけっこうなダメージですよ。
これを聞いたオレも「後悔のないように……」と、かつて“演歌のあやや”と呼ばれ、でもいまや“あやや”といえばこの人のことかもしれない、
島津亜矢さんのCDを、近くの図書館から借りてきました。
検索かけると、カバーアルバム『Singer』シリーズを中心に「貸出中」のアルバムがいっぱいあって、そこからして圧倒されましたが……。
これまで、各種コンピレーションアルバムで2、3曲とか、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第5巻(オリジナルビデオとして)の主題歌への“AYA”名義での参加などを通して少しずつ聴いてきて、


まぁ、そのつど圧倒されてきたわけなんですけど(特に「無法松の一生」とか)、


この際ちゃんと、その「うた」と向き合ってみたい、と思ったんですね。
「だったら買えよ」という声も聞こえてきそうですが、オレの場合、まだ“純演歌”にはちょっと抵抗があるというか(八代亜紀さんは「別格」です!)、まぁ、様子見ですね。
図書館のカウンターの妙齢のお嬢さん((c)みのもんた)も「私もこの人の歌、好きなんですよ~♪」とおっしゃっていたように、近年は紅白に連続出場し、その歌唱力をあまねく世界に知らしめている“あやや”ではありますが、2005年、デビュー20周年を記念して出たCD2枚組をこれから聴いて、さらにハマるのか、それとも「はい、わかりました」となるのか。
それは神のみぞ知る、といったところですが、現時点、ちょっとかじってみた感じの印象では、

“あやや”こと島津亜矢さん、かなりのもんだと思います(生意気)。

そういえば、近年テイチク音源を使用して出た『祝い唄全曲集』的なアルバムに、“あやや”が歌う「糸」が入っていたりして、ちょっと面白かったです(それはそれだけ「糸」という楽曲が定番化しつつある、という意味でもあるのだと思うのですが)。

☆“あやや”の歌は「糸」以外にも収録。もちろん「孫」も「娘よ」もオリジナルで入ってます。

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不変のチョウ・ユンファに驚愕、そして興奮。復活作を観た!!! [映画]

ろく~でなし~、ろく~でなし~、なんて~ひどい~♪((c)ワハハの梅ちゃん。以前、ポカスカジャンの仙台ライブを観に行ったら客席にいらして、少しお話したんですが、「素」非常にシブい方で、そのギャップがこれまたスゴいんです……)
それにしても「布マスク2枚」って、………何かのジョークでしょうかねェ………。
どうします? もし届いたら。

さて。
もしかしたら、映画館なんて、もうしばらくは行けないかもしれないな、なんてことを思いながら、ようやく仙台にやって来たチョウ・ユンファ久々のノワール・サスペンス・アクション

『プロジェクト グーテンベルク 贋札王(がんさつおう)』、

堪能して来ましたよ、小さなシアターの最前列で。
以前の記事でもお話しておりましたが、この映画でのユンファ、主演ではありません。
主人公(アーロン・クォック)の人生を翻弄する、「天使のような悪魔のユンファ」。
しかしながら(悪い意味での)大御所感ほとんどなく、往年の二丁拳銃も含んだガンアクション、
監督いわく「ワンシーンを除いて、すべて本人がやっている」というハードなアクション、
そして「あの」、誰をも魅了する、あの笑顔!
この映画、ユンファに関しては、もう言うことないです。
『ものまね王座決定戦』のジャッジっぽく言うなら、

「10点10点10点10点10点!!!」

です。
『男たちの挽歌』の時のような出かたをしているので、出ずっぱりではないですし、その役柄ゆえ《影》の部分も少なからずあるのですが、本当に、あの頃のままのユンファ。
どうしてるんだろう?
不老不死の水でも、飲んでるんだろうか?
もう、あんまりそのまんまなもんだから、その興奮と感動が、ヒジョーに大きかったですね。
まぁ、映画としてはクライム・サスペンスの要素が大きくて、『ユージュアル・サスペクツ』あたりお好きな方にはたまらないかもしれません。
自分としても、トータルでは比較的面白く観ることができたのですが、好みからはちょっとだけズレていると感じたので、総合評価としては、10点満点で8点ぐらいでしょうか。
いずれにしても、オレ自身、観終わったとき

「頭の中が、まっ白に……」((c)旧・船場吉兆のささやき女将)

なった部分もあり、ソフト化されたらまた観直すことにはなると思います。
変わらぬユンファに元気をもらい、「これから」を歩んでいくパワーを得たような気がしました。
映像ソフトは6月10日リリース予定です。

☆今のところDVDしか出る予定がないのかな。こちらは通常版。


☆こちらは、ユンファの名場面(?)フォトカードつきのAmazon限定版。

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「志村けん、実は死亡してない説」を流したい……。 [テレビ番組]

きょうはエイプリル・フールということだけれど、その直前、本当に悪い冗談みたいな悲報が飛び込んできて、打ちのめされたままでいる。
厳密にはオレは、「志村リアルタイム」とは言えないと思う。
どちらかというと「荒井注のいたドリフ」「加トちゃんがメインで爆笑をとっていたドリフ」に、よりなじみが深かった。
それでも志村けんというコメディアンは、「東村山」“ヒゲダンス”「早口ことば」等々、その圧倒的なパフォーマンス力でもって、そういった
「あの頃のドリフのがよかった」という声を、なかばねじ伏せるようにして、その実力を認めさせていったように思う。
というか、もう「認めざるを得ない」という感じ。
当然、それまでメインで笑いをとっていた加トちゃんに対しては、当時はちょっと気の毒というか、一歩引いた感じになって、大丈夫かな? みたいな感じもなくはなかった。
ただし加トちゃん自身は、ひとりでメインを張るしんどさみたいなものはずっとあって、そこへ志村が入ってきたことで、気分的に少しラクになった、といったようなことを、近年話している。二人は名コンビとなり、『8時だョ!全員集合』の(少し間をおいての)後番組が『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』になったことは、ご存知の通り。




酒とLADYと笑いに生きた、志村けんさん。
まだ言えないな、サヨナラは。
(文中一部敬称略)


☆“ヒゲダンス”の曲「ヒゲのテーマ」(のベースライン)の元ネタといえば。




☆そして「早口ことば」といえば、このベースライン。



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「映画を観に行く」、ということの幸せ。そして杉良太郎さんのスゴさ。 [映画]

実は映画に関して、今日はボヤこうと思っていたんですよ。
ネットで座席をとろうとしたものの、システムエラーとやらで結局とれなかった、という。
ちなみに映画は、ようやくこっち(仙台)にやってきた、チョウ・ユンファの復活作
『プロジェクト グーテンベルク 贋札王』(過去記事、ご参照ください)。
「やってきた」はいいものの、アート系シアターの、まるで試写室みたいに小さなところで(たぶん、タモさん家のホームシアターの方がずっとスゴいはず)、テンション下がる下がる……なんて、身内相手にはグチグチ言ってたわけですけど。
いま、そういうことのひとつひとつ、グチグチ言えることが、実は幸せなんだな、と思うわけなんです。
もちろん、いろいろと慎重になりつつも、出かけることができるというのは、なんて幸せなことなんだろうか、と。
なんかこう、絵空事だとばかり思っていた『復活の日』のような状況が、今、世界中のそこここにある中で、「映画を観に出かける」ことができるって、なんてぜいたくなことなんだろう。
いずれはこの仙台も、東京みたいな状況になるのかもしれないけれど、とりあえず今は、落ち着いている感じです。
本当におだやかな日々が戻ってくるまで、せめて心だけでも、おだやかに過ごしましょう。

さて、宅配レンタルで聴いた2つのCDのうちのふたつめ、演歌系の男性歌手(※美川もいるわよ)がJ-POPや洋楽をカバーしているコンピレーション、

『エンカのチカラ 最強Z ホワイト』。

これ、図書館なんかの貸出状況をみると、女性歌手編の『レッド』よりも人気があるようなのですが、ぶっちゃけ、個人的には『レッド』の方がよかったです。
なんでか?(例によって、堺すすむさんっぽく)
自分でも特に思い当たらないのですが、あんまりスムーズに入ってこなかったんですね、『ホワイト』は。
もちろん、細川たかしさんの「恋」(オリジナルは松山千春さん)、ジョージ山本こと山本譲二さんの「もしもピアノが弾けたなら」(オリジナルは西田敏行さん)、松原健之さんの「初恋」(オリジナルは村下孝蔵さん)、などといった名演もあるのですが。

というか、
杉良太郎さんの「チャンピオン」(オリジナルはアリス)がスゴすぎた。

なんというか、圧倒的な説得力? をもって歌い上げる、杉良太郎さん。
やはりあの「君は人のために死ねるか」の、ある意味プロトタイプといわれるだけのことはありました。
もちろん、その「君は人のために死ねるか」が超絶名曲であることは間違いのないところなのですが。
実はわたくし、そんな「君は人のために死ねるか」が、杉良太郎さんの《通常運転》だということに、また別なある楽曲を聴いて、気づいてしまったんですね。
ゆえあって、図書館で

『股旅・任侠演歌 定番ベスト』

というCDを借りて参りまして、その中に杉良太郎さんの「瞼の母」という、セリフ入りの楽曲が入っていたんですよ。
その「瞼の母」の、セリフが、これまたスゴかった。
「君は人のために死ねるか」は、いきなり歌になったりセリフになったり縦横無尽であったわけですけど、「瞼の母」の場合、2番の前と3番の前にセリフが入るわけです。
その、決して長くはない時間の中に、杉良太郎さんはいわゆる喜怒哀楽の

「喜」「怒」「哀」「楽」

をすべて取り込み、表現してみせるのです。ホントに。
これ、どちらかというと舞台、オン・ステージでこそふさわしい表現かと思うのですが、杉良太郎さんはそれをレコード(あえて「レコード」と呼ばせていただきます)で、やり切ってしまう。
トゥー・マッチだと感じる方もいらっしゃるでしょうが、これこそ、杉良太郎さんが杉良太郎さんであるアイデンティティーなのでしょう。

すごい。
すごすぎる。
このひとことに尽きます。
いろんな意味で。

☆セリフ部分はかなり繊細な表現のため、ややボリューム大きめでどうぞ。

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まだまだあった、八代亜紀さんのレア・トラックス!(CD編) [音楽]

聴きました。
八代亜紀さんの古賀メロディー、テイチク時代のレコーディング。
どうやら、テイチクに所属すると、ほとんどのアーティストの方は、古賀メロディーをレコーディングするのがならわしらしく(今も一部、続いているかと思われますが)、亜紀さんもおそらくアナログLPで2枚分・24曲近くはレコーディングしているのではないかと推察されます。
それにしても、テイチク時代のオリジナル曲以外の亜紀さんのレコーディング、とにかくバラエティーに富みすぎ!
筒美京平さん作曲の「東京ららばい」「飛んでイスタンブール」から、「影を慕いて」「酒は涙か溜息か」まで、まぁ、近年のボーダーレスなご活躍も納得がゆくラインナップではあるのですが、なにしろその量というか曲数が膨大で、いったいどうやって亜紀さんはノド・体調・健康を維持していたのだろうかと、はるか昔のことながら、勝手に心配してしまうオレだったのでした。
……あ、そうそう。亜紀さんの古賀メロディーのことでしたね。
もともと亜紀さんの男歌には定評があり、ここでもそのあたりはうまくこなしておられますが、メロディーラインがちょっとカワイイ感じの楽曲になると、これがまたキュートな魅力を発散しておりまして、「東京娘」桜たまこさんのヒット曲とは同名異曲)なんか、モダンでキュートで、いいですよ。
最近はオンエアされる頻度も減ってしまいましたが、『ラジオ深夜便』の3時台で時々オンエアされる、戦前の流行歌のハイカラでモダンな感じ、そのエッセンスは亜紀さんの歌う古賀メロディーの中にもあって、よく感じ取ることができ、とても素敵です。

さて、今日のタイトルにある「亜紀さんのレア・トラックス」なんですが、これはCDで集めている場合と、アナログで集めている場合とで、かなり事情が違ってくるようです。
たとえばアナログ中心派の方の場合、テイチク時代のオリジナル・シングル曲のコンプリートは比較的簡単ですし(以前書いた通り、いまだCD化されていないシングルA面曲が2曲だけあるのです…)、レアなシングルとなると、横浜・伊勢佐木町の商店会が制作した(で、合ってるよね?)

「モール・イセザキ」

とか、そのくらいだと思いますし、CD化されていないシングルB面曲、アルバム曲などに関しても、とにかく「ブツはある」わけですし、そう高価でもないので、入手に難儀することもそうないとは思うんですけど、これが「CDで集める」となると、なかなか難儀なんですよねコレが。
こう、なんというか、日々手さぐりでいろいろ物色していると、本当に偶然に、ものすごいレアな楽曲に遭遇することがあるんです(もちろん、アナログ中心派の方々には、よくある曲かもしれないんですけど)。
それが今回、ご紹介する

「お父さん」

と、

「お母さん」

の、2曲です。
これら2曲の尋常でないところは、どちらにも「愛ひとすじ」川内康範先生がからんでおられることで、「お父さん」は作詞(作曲は「なみだ恋」や最新シングル「明日に生きる愛の歌」などを手がけている鈴木淳さん)、「お母さん」は作詞・作曲の両方を担当されています。
リアルタイムでは結局、アルバムに収められて発表されたようですが、2曲ともかなり力が入っておりまして、「お父さん」は歌が始まる前に、ちょっと長いセリフがあります。
タイトルも「お父さん」「お母さん」で、対の関係ですし、ちょっと考えるとこの2曲、シングル化前提で制作されたとみるのが自然だ、という気がしております。
だがしかし、なんでこの2曲が当時、アルバム収録で終わったのか。
それもまた、けっこう容易にわかってしまうところが、ちょっと悲しかったりするわけですが。
それはこの「お母さん」の歌詞が、同じ川内康範先生の作詞による名曲で、近年騒動にもなった

「おふくろさん」

と、ほとんどいっしょだ、ということなんですね……。
確かに同じ川内先生の作品とはいえ、「お母さん」の歌詞(「お父さん」「お母さん」2曲とも、ネット上で読むことができます)は、あまりにも「おふくろさん」っぽ過ぎやしないか。
おそらく、そのあたりのなんだかんだがネックになって、この「お父さん」「お母さん」の2曲は、アルバム収録のみに終わってしまったのではないでしょうか。
で、この2曲。
いま、どんなCDに入っているかといいますと、テイチクではなく、徳間ジャパンから出ている

『R 50's 本命 親子唄~父さん~』
『R 50's 本命 親娘(おやこ)唄~母さん~』

という、比較的安価な2枚のCD、それぞれ1曲めに収められているのでした。
他の選曲は比較的地味ですが、演歌系のコンピレーションとしては聴きやすく、なかなかいい曲が揃っているように感じます。
『~母さん~』の方には、問題の「おふくろさん」や「岸壁の母」といった超メジャーな名曲が、
そして『~父さん~』の方には《演歌版リンリン・ランラン》とでも呼ぶべき(?)祐子と弥生のお二人による「父さん」、そして当時やたらと売れていた「おやじの海」プラス「◯◯酒」という曲名の無数のヒット曲、そこへ「北国の春」っぽい雰囲気を盛り込んで、よし、これなら大ヒット間違いなしだ! という、企画会議の様子がまるで目に見えるように浮かんでくる(結果は中ヒットぐらい)、朝田のぼるさんの

「おやじの酒」(!!!)

なんてところも入ってたりします。
まぁ、いずれにしても「お父さん」も「お母さん」も、いい曲には違いないです。




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八代亜紀さんの古賀メロディーと、杉良太郎さんの「チャンピオン」と。 [音楽]

ちょっと前に「ケースはペラッペラだしブックレット(歌詞カード)はついてないし、ホント世知辛い」とボヤいていた宅配レンタルですが、とんでもなく短いスパンで、またまた単品レンタルを期間限定で安くしてきました。
DVDとブルーレイは旧作のみ、CDはすべて(一部例外あり)、1枚税抜き88円(送料は別計算)。
それでオレも、前回、心残りが少々あったので、追加でもう2枚、性懲りもなく借りることにしたのでした。
なにしろ、近所からTSUTAYAが撤退してしまって、「ちょっと行かないと、満足できるレンタル屋がない」状態になってしまっているわけで(そこそこ近くにはGEOがあるんですけど……まぁ……いいじゃないですか!)、出かけてレンタルしても郵便返却なんか使うと、それがけっこうかかることを考えると、たとえ送料込みでも宅配レンタル、そう悪くはないんじゃないかな、と思って、ね。
まぁ、CDに限っての話ですけど、前にもお話したように、たとえば2枚組なら「1」ではなく「2」としてカウントされてしまうとか、いろいろあることはあるんですが、その“品揃え”は、ちょっとしたものです。
とっくに廃盤で、Amazonにもオクにも出品がなくて、もしあっても8000円だ1万超えだ、みたいなことになってるCDが、ゴロゴロしてたりするわけです。
ブックレットとかのビジュアルは置いといて、歌詞カードも無くても構わなくて、とにかくその“音源”を求めている人にとっては、という条件つきではありますが、宅配レンタル、そう悪いものでもないのかな、と。

それで、今回オレが借りることにした2枚は、まず、まぁコンプリートはあり得ないとはいえ、そろそろ終盤に差し掛かってきた《八代亜紀補完計画》の一環である、テイチク時代のレコーディングからのもので、

『八代亜紀 古賀メロディーを唄う』

コレです。
テイチク時代の亜紀さんの昭和歌謡・ポップス系・ムード歌謡のカバーものは、ひと通りなんとかなったので、いよいよモノクロームの彼方、未知の領域へと踏み込むことになりました。
といってもオレらの世代でも、古賀メロディー(流行歌の大家・古賀政男先生が作曲した楽曲群)は知らないうちに耳に入っていたのでした。
ご存知でしょうか。

「演歌チャンチャカチャン」

という、お手軽ライブ録音による、メドレーのヒット曲を。
これは「演歌系の楽曲のAメロのコードは大体いっしょなので、その部分を“チャーンカ、チャンチャンチャンチャン”でつないで行けばエンドレスで歌い続けることができる」という、まさにイグノーベル賞ものの(?)発見による楽曲で、当時の大人からお子様まで、みんな知ってて楽しんでいたものなのです。
で、実はこの「演歌チャンチャカチャン」のメドレーの中に、何曲か古賀メロディーが混じっていたのですよ。
だから「古賀メロディーなんて知らない」という人も、「演歌チャンチャカチャン」を通して古賀メロディーに触れていたわけなんです。
そんな、古賀メロディーを亜紀さんがカバーしている1枚と、あとは以前話題になった、演歌系シンガーの方々が、いわゆるJ-POP系の楽曲をカバーした録音をコンパイルしたシリーズの1枚、

『エンカのチカラ 最強Z ホワイト』

というヤーツ((c)ハライチ・岩井さん)です。
『レッド』と同時発売されたもので、それぞれ男性歌手・女性歌手のみで1枚ずつ、という構成。
もちろんこの感じ、紅白も意識しているようです。
コレにはあの、森進一さんの「I LOVE YOU」(オリジナルは尾崎豊さん)は入っていませんが、「瞳をとじて」(オリジナルは平井堅さん)は入っています。
他にも五木ひろしさんの「RIDE ON TIME」前川清さんの「HOWEVER」コレは名演です!)、定評のある吉幾三さんの「for you...」、そして杉良太郎さんの「チャンピオン」(!)など、気になるパフォーマンスだらけ。
特に杉良太郎さんの「チャンピオン」は、あの名曲中の名曲

「君は人のために死ねるか」

の制作の際、

「アリスの『チャンピオン』みたいな感じで」

というリクエストがあり、その結果がああいう形に結実した、というエピソードもありますので、これは聴かないわけにはいかないでしょう!
まだ届いていないので、もちろん2枚とも聴いていませんが、とても楽しみです!
☆5つ(Amazonのレビューの、ちょっと腰が抜けるパターンのひとつ)。


☆2014年発売。全曲、試聴は可能です。

☆2003年発売。内容は同じです。


☆2011年発売。試聴できます。

☆女性歌手編。試聴できませんが、都はるみさんの「翳りゆく部屋」がスゴいです。



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「“圭子の”夢は夜ひらく」ってタイトル、なんかスゴくない? [音楽]



「圭子の夢は夜ひらく」は、1970年、ご存知、宇多田ヒカルさんのお母さんである藤圭子さんが大ヒットさせた楽曲です(こちらは、同年収録のライブ・バージョン)。
この「圭子の夢は夜ひらく」の大元である、「夢は夜ひらく」という楽曲の発祥と発展については、ウィキペディアの「夢は夜ひらく」の項目でもごらんいただくことにして(この場を借りて、この楽曲を発掘・発展させた、曽根幸明さん、そして石坂まさをさんのお二方に、多大なる敬意を表したいと思います。R.I.P. ちなみに“大元の大元”に精神的に近いカバーとしては、三上寛さんのバージョンがございます)。
これら2曲、特に「夢は夜ひらく」は、園まりさんが歌ってヒットさせたもの(日活で映画化もされました。売り出し中だったドリフターズが、湿っぽいメロドラマであるメインのストーリーにまったく関係なく出てきて、音楽コントを披露しています…)を、ここでは主に取り上げますが、まったく印象が違うことに驚かされます。

もちろん実際に聴いてみて、ハッキリと「あ、コレは違うな」ということはできるんですが、問題はそれ以前のお話。

「夢は夜ひらく」、

そして

圭子の夢は夜ひらく」。

どうでしょう。
こうして、タイトルを並記しただけなのに、印象がガラッと変わってしまうのです。
いわば、もともとあった曲名に、人名が乗っかっただけ。
「アキラの(きよしの)ズンドコ節」的だとも言えるのですが、決定的になにかが違うのです。
これは、「ズンドコ節」に人名がかかっても「あぁ、その人(小林旭さん、氷川きよしさん)が歌うバージョンなんだな」ということで、なんというか、まぁ、終わってしまうわけなんですが(それぞれ歌詞は違いますが)、「夢は夜ひらく」の場合。
そこに「圭子の」が上乗せされることにより、「夢」はただの「夢」ではなく、

「圭子の夢」

へと、変化を遂げるわけなんです。
ただ単に「夢は夜ひらく」というタイトルだった場合、まぁ、ロマンチックだとか、せつない女心だとか、そんなイメージが浮かんでくるんですけど、この場合「“圭子の”夢」ですから。
その「夜ひらく」「“圭子の”夢」とは、いったいどんな夢なんでしょうか。
妄想は、とどまるところを知りません(知るか!)。

いずれにしましても、この

「圭子の」

がタイトルの頭につくことによって、「圭子の夢は夜ひらく」は、多くの人々のイマジネーションを喚起し、いわば

《「夢は夜ひらく」の代表作》

になってしまったわけで、たかがタイトルひとつとっても、決してバカにはできない、ということがわかるわけです。
実際、「圭子の夢は夜ひらく」以後、それぞれ新しい歌詞で、歌手名を頭につけた

「◯◯の夢は夜ひらく」

という、無数のカバー・バージョンが発表されております。
個人的になじみがあるのは、八代亜紀さんによる

亜紀の夢は夜ひらく」、

そして、ちあきなおみさんによる

ちあきの夢は夜ひらく」。

こんなあたりでしょうか。

それでもやはり、唯一無二の鈍い光を、今でも放っている

「圭子の夢は夜ひらく」。

特に、おしまいの方の

「一から十まで 馬鹿でした……」

あたりからの盛り上がる感じは、藤圭子さん(永遠に、安らかに……)にしか出せないものだと思いますね……。


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今日からオレは、部分入れ歯ガイ……。 [ラジオ]

以前から、NHKの『ラジオ深夜便』の時間帯にニュースを読む人の多く(たまーに、合原明子アナが読んでたりすることもあるけど)に、どうやら“アナウンサーOB”の方が多いらしく、なんだか原稿が読みづらそうだったり、各項目の合間に「ピチャッ」とか、口内のつばの音をマイクが拾ったりしてるのを、失礼ながら

「嗚呼、おじいちゃんも大変だなぁー……。」

なんて思ったりしてたんですけど………、
サーセンでした!!!(土下座。「焼き」は無しで)

今日からオレも、そんな“おじいちゃん”の仲間入りです(ちなみに1965(昭和40)年生まれ)。
少し前に、自分からみて左下側の奥歯には「ブリッジ」という疑似歯(?)を入れていたのですが、そちらが落ち着いたということで、いよいよ右下側の奥歯に、満を持して

「部分入れ歯」

を入れる、というか装着することになりました。
残っている歯に、金属で引っかけ、はめ込む仕組みになっていて、装着そのものはほぼワンタッチでスムーズイン。
ただし、外すのはひと苦労ですし、つけたまま何かを食べるのもけっこう大変ですし、何より装着していると、自分が石ノ森章太郎作品の主人公にでもなったかのような、人造人間の哀しみとか、まったく架空の感情が自分のものであるかのような、そんな気持ちになったりもするわけです。
なんでか?(ここはあえて、堺すすむさんっぽくお読みください)

でもね、なんかちょっと、楽しいような気分も、ないことはない
本来、遊ぶもんじゃないですけど、気持ちとして「入れ歯で遊ぶ」というか、この状況を心のどっかで楽しんでいる、そんな自分もいたりするんです。
もちろん、例の「きぬた歯科」の、TBSラジオで流れてるCMじゃないですけど、

「入れ歯って、ツラいですよねェェ~~!!」
(今は「入れ歯でお悩みの方、」という、堀井美香アナのソフトなアナウンスに変更)

という、そんな感情も、この前なら「ブリッジ」を入れた直後や、今ならこの「部分入れ歯」を外そうとする時なんかに、まさに痛いほど理解できるんです。

この、「入れ歯」というブツ。
日常と密着し、また、入れる部分が増えれば増えるほどに、なんかもう、あまりといえばあまりで、なんも言えなくて…夏、というかですね、もう笑っちゃう。それしかない。
いや、仕方なく笑うんじゃなくて、自分から積極的に笑ってしまうのがいいかもしんない。
あの、『相席食堂』の後半の街頭ロケなんかで出てきた、自分から総入れ歯を出し入れしてみせて笑かしにかかった(のかどうかはわからないけど)“進撃の巨人”似のおっちゃんじゃないけど、あそこまで行けたら、たいしたもんじゃないのかな、なんてことも思うんです。

うん。
ちょっとだけで構わないから、「おもしろいじじぃ」になりたいなぁ……。
そんで、その頃には仙人の域に達しているであろうマムちゃん=毒蝮三太夫さん

「お前、◯◯(任意の怪獣・宇宙人の名前)みてぇな顔しやがって!」

とか、中継先でいじられるのが、いまの私の夢です。
(なんだ、このシメ方は?!)
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