しばらくは歌で、北へ、北海道へ旅しよう。 [音楽]
「い、いきなり何が始まったんだ?!」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、これがかの有名なムードコーラスグループ、(森雄二と)サザンクロスの
「好きですサッポロ」
という名曲でございます。
(というか、サザンクロスは「意気地なし」「足手まとい」など、名曲が多い。いまはスタイルが変わってしまったせいなのか、このムードコーラス時代のサザンクロスの単独CD、おおむね高値で取り引きされています……)
緊急事態宣言の延長はいつ来るのか、来るとしてどのくらい延びるのか、それより例の10万円はいつ来るんだ、マスクの流通も復活しつつあるようだから“アベノマスク”はいつでもいいし(しかし本当にまだ来ないなぁ……)、みたいな日々の中、せめて脳内では、1枚のCDを切符がわりに旅でもしようじゃないか、と思ったわけなんです。
行き先は、いま「絶対に来ないでください」、と言われている北海道、特に札幌エリア。
道案内は、このCDで(全曲、試聴できます。マケプレ出品もけっこうあります)。
ライトアップされた札幌時計台のジャケット写真が美しく、音の面では全体的にリバーヴ(エコー)がやや強めにかかったリマスタリングがされているのがちょっと気にはなりますが、選曲、カバーの場合の人選、いずれもなかなかだと思います。
石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」、新沼謙治さんの「津軽恋女」あたりは、定番過ぎるので、あえて外してあるのかもしれないですね。
まずは、このCDでは里見浩太朗さんがシブいノドを聞かせてくれている
「恋の町札幌」。
石原裕次郎さんのオリジナルは、こんな感じでした。
嗚呼、思い出しますね……、まだまだ若かった、夏の日の恋。
たとえばススキノあたりで、60分でも90分でもなく、ちゃんと出会って、札幌エリアを中心に、短い時間ではあったけれども、真剣に恋をしていた、あの夏の日。
セルフノスタルジー、とでも申しましょうか。
……かと思うと一方には、美川がいるわけです。
ここ(=CD)で聴ける
「釧路の夜」
は、低音からファルセットまで、美川の音域を計算しつくした曲作りが素晴らしいですね。
オレもお子様の頃、なんか好きでした。
そして、なかにし礼さんが、いま思うと小説1冊分になる自らの半生を、たった1篇の詩にまとめた、北原ミレイさんの傑作
「石狩挽歌」。
CDにもオリジナル(ワーナー版)で収められていますが、改めてお聴きいただきましょうか。
今回ご紹介しているCDの「石狩挽歌」は、トランペットの音色がちょっと派手過ぎるような気がしないでもないのですが、まぁ、そういうのは“慣れ”でしょうか。
旅の終わりは、八代亜紀さんの「愛の終着駅」でもよかったのですが、ここはあえて小林旭さんの
「北帰行」を。
CDにはクラウンでの再録音版が収められていますが、ここではコロムビアでのオリジナルで、お聴きいただきましょう。
いずれにしても、あまり変わらないところが「アキラ」です。