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ハライチ・岩井勇気『僕の人生には事件が起きない』が面白すぎる理由(わけ)とは。 [本]

さて、何でしょうね。
実際買って愛読しているオレにも、よくわかりませんが。
あ、この記事のタイトルの(わけ)というのは、あまり意味はなくて、最近こう、ムード系の昭和歌謡がマイブームのひとつとしてありまして、“三味線屋の勇”こと中条きよしさんの往年のヒット曲のタイトルがまさにコレ。「理由」と書いて“わけ”と読ませるんですね。
歌い出しが「あの人と 別れた理由は 何でもないの」というわけで、何でもなかったようで何よりです(なんだそりゃ)。
そんな余談はさておき、とにかく売れてますね。
最近は“腐り芸人”なんて呼ばれたりして、不思議な売れ方をしている、ハライチのボケ&ネタ作り担当、ネコとアニメとパンサーの向井くんと千葉雄大くんが大好きという、岩井勇気さん初のエッセイ集『僕の人生には事件が起きない』(新潮社・本体価格1200円)。
本のプロフィールのとこには、愛猫のモネちゃん(かわゆい!)を抱っこした岩井さん。
あと「アニメと猫が大好き」とだけ、書いてあります(ま、そりゃそうか)。
この本は、「いかにも」な感じの「芸人が書いたエッセイ本」ではないんですね。
たとえば、先に挙げた“好きなもの”については、少なくともこの本の中では1ミクロンも触れていませんし、ネタ作りの苦労だとか売れる前の苦労話みたいなものもありません。
基本、日常というか、お休みの日の出来事だったり、仕事とあまり関係ない時間に起こった出来事について書かれているのですが、そんな中に「ささやかな狂気」とでも呼ぶべき、“ちょっとおかしい、不思議な感じ”が紛れ込んで来たりするわけです。
たとえば、あんかけラーメンのおつゆの味にハマってしまい、そのおつゆ「だけ」を水筒に入れて持ち歩き、ふとしたひとときに口にしたりする、岩井さん。
たとえば、“怪談バー”へ行き、怖い話を堪能したその帰りに乗ったタクシーで、運転手からその日もっとも恐ろしい話を聞かされる、岩井さん。
それはたとえば、ハライチの漫才での、岩井さんのボケが次第に「なんか、ヘン」になってゆく、あの感じに似ていなくもありません。
あの独特の言語感覚を、うまく言えないけれども、まぁ“翻訳”すると、こんな感じになるかなぁ、とでもいうのでしょうか。
この面白さは「すこし不思議」ではなく、「かなり不思議」です。
あなたもぜひ、読んでみてはいかがでしょうか。
……いや、違うな。
もしおヒマだったら、どうぞ。
(Amazonの方ではレビューも書いてますが、今回の記事はそれとはちょっと違う角度から攻めてみました)

僕の人生には事件が起きない

僕の人生には事件が起きない

  • 作者: 岩井 勇気
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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