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映画『カセットテープ・ダイアリーズ』は2020年・暫定マイベスト1の傑作! [映画]

新型コロナの「第2波」も言われる一方で、すっかりゆるゆるな日々を過ごしておられる方々も少なくない今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
オレ自身は、山中教授が以前「向こう1年は辛抱です」とおっしゃっていたのを頭において、基本マスクは忘れず三密も避けつつ、でも心はなるべくチルアウト(まったり、のんびり)で、生きております。
もちろん、こんなページを見ている余裕はないと思いますが、豪雨災害に見舞われた皆さま、そして肉親・親族の方・友人、知人の方が関係したエリアにお住まいの皆さま、心よりお見舞い申し上げます。


さて、このあいだの週末、公開されたばかりの映画を観て参りました。
チョウ・ユンファ本格復活作で、すでにレンタル・配信が開始になっている『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』を、「映画館、これでしばらく来られなくなるかもしれない……」などと、頭のどっかで思いながら鑑賞したのは、この春先のことでした。
今回の映画も、本当だったらゴールデンウィークに公開の予定が、延期になっていたものです。

『カセットテープ・ダイアリーズ』。

公式サイトはこちら。
http://cassette-diary.jp/

ブルース・スプリングスティーンの音楽との出会いによって、自分の内側から、何もかもが劇的に変わってゆく、ひとりの青年の(実話に基づいた)物語です。
舞台は1987年。
イギリスの、ロンドン近郊と呼んで呼べなくはないけれど、とりわけ彼にとって、気持ちとしての距離はけっこう遠くにある、そんな地方都市。
パキスタン移民の両親をもち、厳格というかただただ厳しい(なんせ、失業しても威張ってますから……)父親とは特にソリが合わず、何もかもがパッとしない、自分の書きためた文章にさえ自信が持てない、そんな日々を送っています。
とは言っても、彼も「ひと」には恵まれています。
近所に住む幼なじみで、彼を特別な目で見ることもなく、ケンカをしてもきちんと仲直りのできる親友。
同じパキスタン移民の子で同じクラス、彼にブルースの音楽を教えた友達。
いち早く彼の「才能」に気づく、いわゆる「国語」(「古典」?)の先生、などなど。
そんな人々に囲まれ、時に絶望的な気分になるような差別を受けながらも、彼の毎日はブルースの音楽によって、次第に輝いてゆくのです。

……どうも「好きすぎると、うまく書けない」という、いつものクセが出てしまって、どうアプローチしてみても、この作品の魅力をうまく伝えられそうにありません。
ユンファ復活作ほどではないにせよ、上映館数が非常に限られているのですが、もしお近くの劇場で観られるようでしたら、ぜひお出かけ下さい。
少なくとも入場料金分、損はさせません。
暫定ですが、2020年のマイベスト1有力候補、早くも登場です。

☆『カセットテープ・ダイアリーズ』予告編


☆『カセットテープ・ダイアリーズ』上映劇場リスト ※随時更新
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=cassettediary


もちろん劇中では、ブルース・スプリングスティーンの楽曲が、なんと17曲も流れ(サントラ盤には、そのうちの12曲を収録)、その使用料は、なんとタダ同然だったそうです。
既成の楽曲やバージョンのみならず、未発表曲未発表ライブ音源も、含まれています。
未発表曲“I'll Stand By You”は、映画『ハリー・ポッター』のために制作され、未使用に終わったとも言われているもので、子守唄のような、やさしい楽曲です。
もしブルースの音楽を知らなかったり、興味がなくても、問題はありません。
主人公の彼も、最初はそうだったのですから。


それでは最後に、この映画のハイライトを形成しているブルースの代表曲“Born To Run”(「明日なき暴走」)の、オフィシャル・ミュージック・ビデオをごらんください。
『モヤモヤさまぁ~ず2』「大江アナ卒業スペシャル」で、最後に流れた曲でもあります(と書くと「あぁ……!」と思われる方も、少なくないことでしょう)。


☆サントラ日本盤。ブルースの楽曲は歌詞も重要なので、日本盤推奨。


☆英語ダイジョウブ、という方は輸入盤をどうぞ(Amazon直販が、値段は高めでも確実に届きます)。



2020.07.09追記

そうこうしてる間に、ブログトータルで30000ビュー突破してました!
誠にありがとうございます!!!
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大林宣彦監督に感謝。『時をかける少女』は永遠です。 [映画]

大林宣彦監督が、亡くなった。
最新作『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』の公開を控えて、昨今の諸事情もあって当初の公開予定日が延期となり、その劇場公開を待たずに、旅立ってしまわれた。
大林監督といえば、まずは「CM界の巨匠」ということで、チャールズ・ブロンソンソフィア・ローレンといった海外の大物スターとの仕事をこなし、「古びた洋館「で」ではないところに注意!)、訪れた少女たちが食べられて行く」というカルトなファンタジック・ホラー『HOUSE ハウス』で映画監督としてデビューされたのだが、実は今でいうメディア・ミックスの一種として、同じ原案をもとに映画の公開前、『オールナイトニッポン』で特番としてオンエアされたラジオドラマ、これが本当にコワかったのだ。
木之内みどりさん、岡田奈々さんら、70年代の人気アイドルたちをメインキャストに、ある意味正統派ホラーとして作られたこのラジオドラマ、CMになってもトイレに行けなくなるほどのコワさで、映画への期待は高まるばかりだったのだが、実際、映画館に行ったオレの眼前に展開された『HOUSE ハウス』の世界は、どこかふざけているような、面白がっているような、「不思議」としか言いようのないものだった。
そんな、ある種いびつな出会い方をしたオレと大林監督作品ではあったが、その後は『転校生』『青春デンデケデケデケ』など、ほぼ、良作・名作が続いた(『漂流教室』など、一部例外もあるにはある)。
特に、ごく個人的に、ということで行くと、やはり原田知世さん主演の

『時をかける少女』、

そして、富田靖子さん主演の

『さびしんぼう』。

このあたりは、やはり忘れがたい。
『時をかける少女』の頃の原田知世さんは、オレの脳内における「“カワイイ”のテンプレ」みたいなもんだし(過去形ではない!)、『さびしんぼう』のクライマックスには、もう本当に、涙で海ができるんじゃないかと思うくらい、泣かされた。


身に病を抱えながらも、最期まで映画への情熱を燃やし続けた、大林監督。
少し休まれたら、またそちらで新作を、撮ってください。


☆『時をかける少女』エンディング


☆『時をかける少女』は、ブルーレイ出てるけど品薄状態。
こちらはプライムビデオへのリンクです。


☆『さびしんぼう』は、ブルーレイ出てないんだな。
こちらもプライムビデオへのリンク。


☆おまけで『HOUSE ハウス』の、プライムビデオへのリンクも。

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不変のチョウ・ユンファに驚愕、そして興奮。復活作を観た!!! [映画]

ろく~でなし~、ろく~でなし~、なんて~ひどい~♪((c)ワハハの梅ちゃん。以前、ポカスカジャンの仙台ライブを観に行ったら客席にいらして、少しお話したんですが、「素」非常にシブい方で、そのギャップがこれまたスゴいんです……)
それにしても「布マスク2枚」って、………何かのジョークでしょうかねェ………。
どうします? もし届いたら。

さて。
もしかしたら、映画館なんて、もうしばらくは行けないかもしれないな、なんてことを思いながら、ようやく仙台にやって来たチョウ・ユンファ久々のノワール・サスペンス・アクション

『プロジェクト グーテンベルク 贋札王(がんさつおう)』、

堪能して来ましたよ、小さなシアターの最前列で。
以前の記事でもお話しておりましたが、この映画でのユンファ、主演ではありません。
主人公(アーロン・クォック)の人生を翻弄する、「天使のような悪魔のユンファ」。
しかしながら(悪い意味での)大御所感ほとんどなく、往年の二丁拳銃も含んだガンアクション、
監督いわく「ワンシーンを除いて、すべて本人がやっている」というハードなアクション、
そして「あの」、誰をも魅了する、あの笑顔!
この映画、ユンファに関しては、もう言うことないです。
『ものまね王座決定戦』のジャッジっぽく言うなら、

「10点10点10点10点10点!!!」

です。
『男たちの挽歌』の時のような出かたをしているので、出ずっぱりではないですし、その役柄ゆえ《影》の部分も少なからずあるのですが、本当に、あの頃のままのユンファ。
どうしてるんだろう?
不老不死の水でも、飲んでるんだろうか?
もう、あんまりそのまんまなもんだから、その興奮と感動が、ヒジョーに大きかったですね。
まぁ、映画としてはクライム・サスペンスの要素が大きくて、『ユージュアル・サスペクツ』あたりお好きな方にはたまらないかもしれません。
自分としても、トータルでは比較的面白く観ることができたのですが、好みからはちょっとだけズレていると感じたので、総合評価としては、10点満点で8点ぐらいでしょうか。
いずれにしても、オレ自身、観終わったとき

「頭の中が、まっ白に……」((c)旧・船場吉兆のささやき女将)

なった部分もあり、ソフト化されたらまた観直すことにはなると思います。
変わらぬユンファに元気をもらい、「これから」を歩んでいくパワーを得たような気がしました。
映像ソフトは6月10日リリース予定です。

☆今のところDVDしか出る予定がないのかな。こちらは通常版。


☆こちらは、ユンファの名場面(?)フォトカードつきのAmazon限定版。

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「映画を観に行く」、ということの幸せ。そして杉良太郎さんのスゴさ。 [映画]

実は映画に関して、今日はボヤこうと思っていたんですよ。
ネットで座席をとろうとしたものの、システムエラーとやらで結局とれなかった、という。
ちなみに映画は、ようやくこっち(仙台)にやってきた、チョウ・ユンファの復活作
『プロジェクト グーテンベルク 贋札王』(過去記事、ご参照ください)。
「やってきた」はいいものの、アート系シアターの、まるで試写室みたいに小さなところで(たぶん、タモさん家のホームシアターの方がずっとスゴいはず)、テンション下がる下がる……なんて、身内相手にはグチグチ言ってたわけですけど。
いま、そういうことのひとつひとつ、グチグチ言えることが、実は幸せなんだな、と思うわけなんです。
もちろん、いろいろと慎重になりつつも、出かけることができるというのは、なんて幸せなことなんだろうか、と。
なんかこう、絵空事だとばかり思っていた『復活の日』のような状況が、今、世界中のそこここにある中で、「映画を観に出かける」ことができるって、なんてぜいたくなことなんだろう。
いずれはこの仙台も、東京みたいな状況になるのかもしれないけれど、とりあえず今は、落ち着いている感じです。
本当におだやかな日々が戻ってくるまで、せめて心だけでも、おだやかに過ごしましょう。

さて、宅配レンタルで聴いた2つのCDのうちのふたつめ、演歌系の男性歌手(※美川もいるわよ)がJ-POPや洋楽をカバーしているコンピレーション、

『エンカのチカラ 最強Z ホワイト』。

これ、図書館なんかの貸出状況をみると、女性歌手編の『レッド』よりも人気があるようなのですが、ぶっちゃけ、個人的には『レッド』の方がよかったです。
なんでか?(例によって、堺すすむさんっぽく)
自分でも特に思い当たらないのですが、あんまりスムーズに入ってこなかったんですね、『ホワイト』は。
もちろん、細川たかしさんの「恋」(オリジナルは松山千春さん)、ジョージ山本こと山本譲二さんの「もしもピアノが弾けたなら」(オリジナルは西田敏行さん)、松原健之さんの「初恋」(オリジナルは村下孝蔵さん)、などといった名演もあるのですが。

というか、
杉良太郎さんの「チャンピオン」(オリジナルはアリス)がスゴすぎた。

なんというか、圧倒的な説得力? をもって歌い上げる、杉良太郎さん。
やはりあの「君は人のために死ねるか」の、ある意味プロトタイプといわれるだけのことはありました。
もちろん、その「君は人のために死ねるか」が超絶名曲であることは間違いのないところなのですが。
実はわたくし、そんな「君は人のために死ねるか」が、杉良太郎さんの《通常運転》だということに、また別なある楽曲を聴いて、気づいてしまったんですね。
ゆえあって、図書館で

『股旅・任侠演歌 定番ベスト』

というCDを借りて参りまして、その中に杉良太郎さんの「瞼の母」という、セリフ入りの楽曲が入っていたんですよ。
その「瞼の母」の、セリフが、これまたスゴかった。
「君は人のために死ねるか」は、いきなり歌になったりセリフになったり縦横無尽であったわけですけど、「瞼の母」の場合、2番の前と3番の前にセリフが入るわけです。
その、決して長くはない時間の中に、杉良太郎さんはいわゆる喜怒哀楽の

「喜」「怒」「哀」「楽」

をすべて取り込み、表現してみせるのです。ホントに。
これ、どちらかというと舞台、オン・ステージでこそふさわしい表現かと思うのですが、杉良太郎さんはそれをレコード(あえて「レコード」と呼ばせていただきます)で、やり切ってしまう。
トゥー・マッチだと感じる方もいらっしゃるでしょうが、これこそ、杉良太郎さんが杉良太郎さんであるアイデンティティーなのでしょう。

すごい。
すごすぎる。
このひとことに尽きます。
いろんな意味で。

☆セリフ部分はかなり繊細な表現のため、ややボリューム大きめでどうぞ。

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チョウ・ユンファ完全復活!『プロジェクト グーテンベルク 贋札王』を観るべし! [映画]

2020年2月7日(金)、注目の映画が公開されます。
その名も『プロジェクト グーテンベルク 贋札王(がんさつおう)』
出演はチョウ・ユンファ、そしてアーロン・クォック
いま、ユンファの名前を先に記しましたが、本作でのユンファの立ち位置は、どちらかというと『男たちの挽歌』でのマーク的なものなので、「ほぼ主演みたいな助演」といっていいでしょう。
そう。
『フル・ブラッド』(派手なガン・アクションとラブロマンスが交錯し、気がついたら号泣してました…)や『ゴッド・ギャンブラー 完結編』『大陸英雄伝』を置き土産に一時ハリウッドに本拠地を移し、この時期に『リプレイスメント・キラー』『NYPD15分署』(ハリウッド期では一番好きかな)、『アンナと王様』『グリーン・デスティニー』『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(この辺はメジャーですよね)といった作品、ついでに『バレット モンク』や『ドラゴンボール』実写版(亀仙人役)といったトホホ作品などを残し、その後「これ」といった作品を残すことなく(名コンビだったはずのジョン・ウー監督とは、ゲーム『ストラングルホールド』(Xbox、PS3)で組んだ後、『レッドクリフ』出演をめぐって対立し、ユンファは降板。コンビ復活の可能性は……?)、いわゆる「セミリタイア状態」となっていたチョウ・ユンファが、血と硝煙のガン・アクション、香港ノワールの世界に、帰って参りました。
なんといっても『男たちの挽歌』を封切りで観て(同時上映は『キング・ソロモンの秘宝2』!)、完璧にノックアウトされ、当時のレンタル屋さんのユンファ作品は名作から珍作までほぼ制覇したこのオレです。
これは、観ないわけには参りません。

その贋作の腕を見込まれ、ニセ札を作る組織にスカウトされた画家の男(アーロン・クォック。ホントにオレと同じ1965年生まれ? 若々しい!)と、彼をスカウトした、自らを“画家”と名乗る謎の男(ユンファ。ホントに1955年生まれ? これまた若々しい!!)を中心に展開される、香港ノワール流おもてなし=血しぶきと銃弾の嵐!!!
監督は、あの『インファナル・アフェア』三部作の脚本を手がけたフェリックス・チョン
だからガン・アクションだけではなく、その展開もただでは済みません。
実はオレ、まだ観てないんですけど((c)かつて、新刊である自著の内容についてきかれた時の松本伊代ちゃん、これはもう、期待するしかない!!!
ただし、2月7日から観られる劇場は、非常に限られております。
上映劇場一覧はこちら ※随時更新。要チェック!
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=gansatsuou

改めて記しておくと、

・ユナイテッド・シネマ札幌
・フォーラム仙台 ※3月27日より4月9日まで(予定)。チネ・ラヴィータに変更の可能性あり
・丸の内TOEI
・新宿武蔵野館
・立川シネマシティ
・藤枝シネ・プレーゴ ※2月28日より(予定)。
・109シネマズ名古屋
・なんばパークスシネマ
・シネ・リーブル梅田
・OSシネマズミント神戸
・ユナイテッド・シネマ福岡ももち

1月30日現在、これで全部です。
………淋しい。
ユンファの復活作としては、あまりにも淋しい。
まぁ、おそらく「全国順次公開」という流れになると思うので、もし近場に上映劇場がなくても、あきらめずに待ちましょう(なんだったら、観に行っちゃいましょう!)
(公開規模をみると、けっこう早そうな)ソフト化の方も、ものすごく楽しみなんですが、それはまた、別の話。

なお、立川シネマシティでは、『プロジェクト グーテンベルク 贋札王』公開記念として、2月1日(土)から7日(金。『贋札王』の公開日でもある)まで、
『男たちの挽歌』第1作が、《極上音響上映》にて上映されます!
1日には11時35分から、今流行りの「応援上映」(早くも、いい席は埋まりつつあり…)もあります(すべて通常料金。各種割引も適用)。
詳しくはこちらから。※リンク切れご容赦。
https://res.cinemacity.co.jp/TicketReserver/studio/movie/1889


………おっと。
肝心の『プロジェクト グーテンベルク 贋札王(がんさつおう)』、公式サイトを忘れるところでした。
予告編・CM動画(日本版)なども、こちらで堪能できます。
ちなみに予告編(オリジナル、日本版とも)には、燃やしたニセ札で煙草に火をつけるユンファ、というカットも(本編未使用。ソフトへの収録に期待しましょう)!
http://gansatsuou.com/


あーもう。
『男たちの挽歌』、また観たくなってきたぜ………。



*Special Thanks to 『映画秘宝』誌(2020年2月号)
 もし読んでいなければ、オレが『プロジェクト グーテンベルク 贋札王』のことを知ることもなかったはず。
 “復活の日”を、待っています。

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宍戸錠さん、山形・大沼デパート、そして愛猫・はなさん。「別れ」について考える。 [映画]

このところ、悲しい出来事が続きます。

“エースのジョー”こと、宍戸錠さん。
言うまでもなく、アキラ小林旭さん)やトニー赤木圭一郎さん)、そして裕ちゃん石原裕次郎さん)らのライバル役として、そしてハードボイルドな主演スターとして日活の黄金時代を支えた《レジェンド》のひとりで、最重要人物といっても間違いない存在でした。
テレビのバラエティーやコメディも得意分野で、金子修介監督の『みんなあげちゃう』などにも出演されていました。
“エースのジョー”が、往年の名場面と共に、かつてのライバルたちを探し求める映画『AGAIN アゲイン』(監督は矢作俊彦さん)を、オレは劇場・VHS・DVDと、もう何度観たことでしょうか。
できることなら、もっともっと長く《リヴィング・レジェンド》でいて欲しかった。
気のきいた言葉が、思いつきません。
ジョーさん。
またいつか、会いましょう。



かつて、山形市のランドマーク的存在であった、大沼デパート
もともとは“丸光”というデパートであった、仙台市にベースを置いていた“さくら野百貨店”と同じ「自己破産で突然の閉店」、という、なんとも哀しい最期を迎えました。
オレの山形時代は子供の頃で、まぁ、田舎ではありましたけど楽しい日々を過ごさせてもらって、その思い出のあちこちに、やはり「大沼」は姿を現すのでした。
さまざまな催し物もありましたが、昭和40年代後半の時点で、1階の一角にファストフード店『ロッテリア』があり、そこは子供の夢であり、あこがれでした。
手塚治虫さんがデザインした(と記憶している)、ユニコーンのような可愛いキャラクターが描かれた、パステルカラーの紙の容器に入ったバニラシェーキは、都会の味がしたなぁー……。
ただ、ただ、淋しいです。

そしてこれは、今までずっと、書かないで来たのですが。
昨年(2019年)のクリスマス・イヴの朝、およそ17年間いっしょに過ごした愛猫の“はな”さんが、この世界に別れを告げました。
そうです。
このブログをPCでご覧いただくと、左上にいるのが、その“はな”さん。
『ねこのための音楽』よりも、クイーンのハードな曲を愛した、ツンデレなお嬢さまでした。
(この写真は、奇しくも“さくら野百貨店”でチャリティー販売していた、クマのマスコット「さくまちゃん」をガジガジしているところです。)
あわただしい日々の中、それでも“はな”さんのことを最優先にし、年の暮れに火葬、年明けに「ペット共同納骨堂」に納骨を済ませ、今は中身のない、外側に“はな”と名前の書かれた骨つぼや、いろんな、いろんなモノが、残っています。
カリカリも、猫砂も、買ったばかりでした。
だけど、いちばん大きくて重たい、残されたものは、言葉にできない気持ちです。

いつか本当に前を向いて、たとえば新しい仔を迎えようとか、そういった気持ちになれる日も来るかもしれませんが、この状況を受け入れるには、もう少し時間が必要みたいです。
ときどき、胸のあたりに“はな”さんがいるような、励ましてくれているような、そんな感じがします。
だから、できればもう少しこのまま、思い出にひたって、“はな”さんといっしょに生きていたいのです。

“はな”さんのことだったら、いくらでも書けるんですけど、あまり長くならないよう、あえてこの形をとらせていただきました。
そういえば、ジョーさんが亡くなっているのが発見されたのは、オレの誕生日の前日(1月21日)でしたっけ。
“はな”さんもそうですが、いずれにしても、忘れようがない日、なんですよね。
(ちなみに坂上二郎さんが亡くなったのは、あの震災の前日、2011年3月10日のことでした。)
去年もクリスマス用のケーキは、あえてオレと家人と“はな”さん(仮に元気だったとしても、まぁクリームをペロペロするくらいでしょうが)の3つでしたが、今年からもたぶん、3つ用意することになるんだろうと思います。

クリスマスの頃からちょっと前までカラ元気でやって来て、ここにきてなんか、ガクッと来た感じがありますが、これから少しずつ、元気を取り戻して行きたいと思いますので、これからもひとつ、よろしくお願い致します。


それではまた、この場所で、
あなたと!
お会いしましょう。
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『ダウントン・アビー』劇場版公開(加筆あり)&『この世界の…片隅に』の感想。 [映画]

おまっとさんでございました((c)キンキンこと故・愛川欽也さん)。
あの、ラグジュアリーかつコミカルで、しかもどろっどろという、好きな人にはたまらない英国貴族の世界、そのウラと表を描いて何故かアメリカでも大人気になったドラマ

『ダウントン・アビー』

の、最終回のあとのお話、という設定で描かれる劇場版が、本日(1月10日)公開でございます。
バイオレット様も、ベイツさんもモールズリーさんも、そしてもちろん、ずる賢く立ち廻りながら失敗を繰り返し、男運にも恵まれない(というか、まぁ、その………アホの子だった)トーマスも(今回は何かいいことありそう……?)登場しております。
ひとことで言うと、ファンの方々にとっての豪華おせち料理、あるいは本格幕の内弁当
そんな映画ですね。
冒頭出てくる《Royal Mail》の配送車も、デザインがカワイイのでお見逃しなく。
公開劇場、ならびに上映回数が少ないながら、皆さまご期待のオリジナル・キャストによる吹替版もありますので、ドラマがお好きだった方は、ぜひお早めに劇場へ、足をお運び下さいまし。

劇場版の公式サイト、こちらでございます。
未体験の方を置いてきぼりにしない10分動画、お近くの劇場情報もこちらで。
https://downtonabbey-movie.jp/

☆TVシリーズのコンプリート・ブルーレイ。およそ30000円也。


さて皆さん((c)浜村淳さん)。
「観た」という報告だけでストップしていた、こちらもまだまだ上映中、

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

についても、ちょっとお話しておきましょう。
追加シーンのため、上映時間が『タワーリング・インフェルノ』とほぼ同じという長さになり、これはさすがに長い。それは認めざるを得ない。
しかし、追加要素がごく自然な感じで入れ込んであるので、見やすいですね。
ある意味、とても実験的なことをやっているのですが、観ていて、すごく納得のいく仕上がりになっている、とは思います。
ただ、リンさんという女性が存在感を増し、すずさんと周作さんのあいだにさざ波が立ってしまうので、純粋にすずさんと周作さんにラブラブでいて欲しかった人(たとえばオレ)なんかは、ちょっとモヤモヤしてしまうかも。
でも「いろいろあって、それでも《ふたり》」という感じは、強くなってます。
あと、片渕監督って、けっこう“むっつり”なんじゃないかなー、なんてことも、思いました。はい。

『さらにいくつもの』公式サイトはこちら。
お近くの上映、これからの状況なども、こちらでご確認ください。
https://ikutsumono-katasumini.jp/

☆この『映画秘宝』誌、なんかもうプレミアついちゃってますけど、片渕監督へのロング・インタビュー全文は、上の公式サイトで読むことができます。
※観てからお読みください。

映画秘宝 2020年 01 月号 [雑誌]

映画秘宝 2020年 01 月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: 雑誌



☆あ。やっとアフィリエイト申請通ったので、試しに『ダウントン・アビー』の方だけ、それでリンク貼ってみました……。
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『スター・ウォーズ』最終章公開のさなか、『惑星大戦争』を観た。 [映画]

まぁ、ホントに最終章なんだかどうか怪しいもんですが……って、そんなこと言っちゃいけませんね。
でもね、EP9で終わるとは限らず、12とか15まで行く可能性だってあるんですよね。
だって、ディズニーのことだから。
それはそうと、こういうタイミングでもあるし、今の今までどうも危険な、というか、トホホなニオイを感じ取っていて観ないでいた、東宝の

『惑星大戦争』

という映画を、腹をくくって(大げさだな)観ることにしたのでした。
公開は1977年12月、『スター・ウォーズ』第1作(今でいうところのEP4)日本公開のおよそ半年ちょっと前。
なんと、百恵ちゃん(山口百恵さん)主演の『霧の旗』と2本立てでした。
結論から言いましょう。

この『惑星大戦争』、立派な「トホホ」映画です。

いや、映画としては中途半端というか、別に「よくでき」ているわけでもないし、かと言って「ネタとして笑い飛ばせる」とこまで振り切れてるわけでもない(まぁ、あちこちで苦笑はしてしまいますが)。
怪獣も出てこないし(まぁ、轟天号は出てくるわけですけど。一応)、セクシー要素も若き日の浅野ゆう子さん頼みで、それもほんの申し訳程度(この少し前の東宝特撮で活躍していた、由美かおる姐さんのサービスぶりを見習って欲しかった…)。
人がわらわら死んでゆくにもかかわらず、その扱いが軽すぎる。観てても何も感じられない。
「あ、死んだ」って、そりゃいわゆるゲーム感覚そのものでしょ。
何より、同じ年の夏休みに大ヒットした『宇宙戦艦ヤマト』(TVシリーズの再編集版)の影響を、悪い意味で受け過ぎてるとこがなぁ……。
『ヤマト』は別にいいんだけど、「『ヤマト』っぽいやつ」って、どうしてもカッコ悪くなりがちなんですよ。
あの、アニメ映画史にベットリ残る問題作『サイボーグ009 超銀河伝説』 が、その悪い見本と言えるでしょう。

一応、取り柄というか、みどころも書いておきましょう(どうせ悪口込みになっちゃうだろうけど)。
キャスティングは、かなりがんばった方だとは思います。
沖雅也さん(あの名フレーズ「涅槃で待ってる」が、2006年版『時をかける少女』の「未来で待ってる」の元ネタなのかどうか、残念ながらオレは知らない。改めてご冥福をお祈りします…)、宮内洋さん(! 特撮っぽさの強化、ということなのか、『仮面ライダー』ナレーターの中江真司さんも、ちょこっとナレーションで参加)、そして大御所・池部良さん。
“えらい人”役で大滝秀治さんも出てますが、芝居がほぼ『特捜最前線』の船村刑事といっしょで、大滝さん通常運転。
そして今、しつこく文春に追撃されている現・千葉県知事、モリケン(モリマンじゃないよ)こと森田健作さん。
わざわざ他社である松竹から借りたモリケン知事が、何かと劇中の緊迫感をそぐ事といったら、そりゃもう半端ないって(言ってみました)。
なんかヘンな宇宙服着込んで(というか、最初から最後までモリケン知事のファッションセンス、どっかおかしいんだなぁ……)、一応メインで「大活躍」してるんだけど、そんなさなか、モリケン知事の心を、一瞬でもこんな思いがよぎらなかっただろうか。

「俺、3年前には『砂の器』とか出てたのに、こんなとこでこんなカッコして、ナニやってんだろ?」

まったくですね。

う~んと………、もうお正月って感じでもないんですけど、どうせ同じ『スター・ウォーズ』のパチもん観るんだったら、サービス精神のかたまりみたいな、東映の深作欣二監督作品

『宇宙からのメッセージ』

コレがいいと思います。
メイン・テーマがクラシックのモロパクだとか、当時のお子様たちは気にせず、なんか妙に感動したりコーフンしたもんでした。
ちなみに、『メッセージ』の方でも大活躍しているJAC(今のJAE)のみなさんは『惑星大戦争』の方にも参加しておられるので、スタント・アクションに関しては、なかなか迫力ありましたよ、『惑星大戦争』も。
あと『世界大戦争』とか『ノストラダムスの大予言』とかの特撮カットが流用されているのも、『惑星大戦争』のポイントですけど、ホントにピンポイントって感じですね………。

まぁ、「戦争」とかいうと現実がやたらとキナ臭いですけど、そういうのはフィクションの世界だけにしていただいて、平和な毎日であるよう、祈りたいですね。(説得力ゼロ)


★そんな『惑星大戦争』。レンタル・配信あり。

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☆そして『宇宙からのメッセージ』。レンタル・配信あり。

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  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • メディア: DVD



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2019年マイ・ベスト・ムービーは『えいがのおそ松さん』に決定しました! [映画]

えー………、寒中お見舞い申し上げます(としか、今年は書けません。お察し下さい。「お察しします」(c)ハリウッドザコシショウさん)。
新しい年が、始まってしまいました。
いつまでも鬱々としていても仕方がないですし、大みそかはザッピングしながら、氷川きよしさんが弾けてるところも堪能しましたし(『限界突破×サバイバー』買っちゃった!)、
“新しい地図”のお三方が、これまたそれぞれいい感じに弾けていらっしゃる様子もしっかり見させていただき、よい年越しができたと思います。

さて、年の暮れの懸案事項だった「『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を、2019年のうちに観られるか、どうか」が、なんとかなりまして、結果、2019年の“マイ・ベスト・ムービー”を決めやすくなりました。
そして、決まりました。

2019年マイ・ベスト・ムービーは、

『えいがのおそ松さん』

に決定いたしました!

ここ数年で、いや、もしかするとここ10年で、こんなに「やられた!」感のあった映画はなかったです。
「強敵」になるかと思われた数々の作品が、軒並み「それほどではなかった」結果の棚ボタ受賞(?)、そんな感じもなくはないのですが、いずれにせよ、オレにとってコレは傑作でした。
おめでとうございます。
この度、休刊という衝撃のニュースが走った『映画秘宝』誌の「2019ベスト&トホホ・ムービー」(結果発表は、1月21日発売の最終号で!)の投票には惜しくも間に合わず、票を投じることはかないませんでしたが、こっちの結果は揺るぎません。
すべてのスタッフ、キャストのみなさんに、心から感謝の意を伝えたいと思います。

一方で、ベストがあれば、もちろんトホホもあるのです。
そもそも、本当だったらランキングを出せればよかったのですが、2019年は「なんとなく映画を観ていた年」で、メモとか残してなかったので、そこまではしない事にしました(かと言って、2020年は観た映画のデータをしっかりつけておくかどうか、それはまだ未知数なのですが……)。
というわけで、2019年のマイ・トホホ・ムービーは、2018年の細田守監督『未来のミライ』に続いて、まさかこの巨匠があんなに盛大にやらかすとは思わなかった、原恵一監督作品

『バースデー・ワンダーランド』

コレで決まりですね。
まぁ、古今東西、やらかさなかった映画監督などいないはずですし、見方によっては、作る映画作る映画やらかしている、そんな監督もいるとは思うのですが、原監督といえば青学の……否、「巨人の若大将」………いや、これも違う(うむ。それもいろんな意味で)。
“オトナ帝国”とか“アッパレ!戦国”とか“河童のクゥ”とか、いわば《信頼のブランド》が服を着て歩いている、そんな方だと思っていたのですが、今回ばかりは、アレだったようです。
ちょっとこうアレして、どの辺からかはわかりませんが、適当なところから出直していただきたいです。

まったくの余談になりますが、実は上記の2本、奇しくもオレは同じ日に、『バースデー』『おそ松さん』の順で観ていました。
それも『バースデー』がメインで、でも万が一ダメだった時のための“保険”として『おそ松さん』も、という考え方で、チケットを購入していました。
心のどっかに、かすかな「トホホな気配」のようなモノを感じていたのでしょうか。
「すこし、不思議」((c)藤子・F・不二雄先生)ですね。

といったような塩梅で、今年もあーだこーだとあまり意味のないことを書いて行くのかもしれませんが、ひとつ、よろしくお願いしますのです。


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『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』&『この世界の…片隅に』ドキュメンタリーを観る。 [映画]

メリークリスマス、ミスター・ローレンス!

というわけで(どんなわけだ!?)、奇跡的に時間ができたので、2020年のお正月映画の中から2本、と思ったんですが、結果、ちょっとひねった2本を、観て来ました。
と、ここでいきなり余談になりますけれど、この“お正月映画”というものの定義にはちょっとあいまいなところがあって、厳密には、前年の暮れから次の年のはじめまで、続けて上映されているものなんだろうと思うのですが、往年の映画黄金時代には、まず「越年する映画」があって、次に「年の暮れギリギリに公開になる映画」があって、さらには「年が明けてすぐに公開される映画」があって、そのどれもが“お正月映画”と呼ばれた、そんな時代もあったようです(「ツキがなかった」ケースとしては、仙台での『プリシラ』。確か、公開終了日が12月30日!)
たとえば、12月27日に公開になる“第50作”の“寅さん”なんかは、リアルタイムでのお正月の公開タイミング、「年の暮れギリギリ」な感じを再現しているわけです。もっとも今回は、かなり前に映画そのものは完成していて(だから試写会も行われて「号泣した……。」なんていう声も聞こえてくるわけです)、シリーズが続いていた頃の「公開日の数日前に、ようやく完成」なんていうことはなかったようですね。
といったところで、ようやく本題に戻りますが、実は「公開前ギリギリまで作業していた」のは、20日公開された『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』もいっしょだったようで、そんな、我々にとっても待望の『この世界の片隅に《増補改訂版》』、現時点でオレは、まだ観ておりません(好きなおかず、後にとっとく派なのがバレバレですね……)。
かわりに、その『片隅《増補改訂版》』の作業中の片渕須直監督の姿を追ったドキュメンタリー映画

『〈片隅〉たちと生きる 監督・片渕須直の仕事』

が、限定公開ということで、こちらを観られるうちに……という思いから、観て参りました。
大きくわけて構成は、メイキング・監督の生い立ち・全国各地の劇場での、観客との触れ合い、の3つにわけられると思うのですが、まぁ、面白く楽しく拝見しましたし、のんさんもアフレコ風景や東京国際映画祭のレッドカーペットなどで登場するのでかなり眼福なのですが、「家庭の味」というか、なんかちょっと、足りない。
やっぱりあの、ジブリ系のドキュメンタリーみたいな感じを、どっかで期待してたんだと思うんですけど。
あの『「もののけ姫」はこうして生まれた。』(制作は『バトル・ロワイアル』のメイキング大作『映画は戦場だ』と同じチーム)だとか、ゴローちゃんがディスられすぎててちょっと可哀想だった『夢と狂気の王国』だとか、一連のNHKでオンエアされた密着もののような、そういうタイプの面白さは、このドキュメンタリー映画には、なかったです。
逆に言うと、ジブリの方がいろいろありすぎた、とも言えるのかもしれませんが。
だからといって『この世界の《増補改訂版》』が期待できない、というわけではないんですよ。
でもねー、すずさんと周作さんには、たとえ地味であってもラブラブであって欲しいので、今回追加される要素は、少なくともオレにとってはちょっと邪魔、なんですよね。
観終わってどう感じるか、そこまで行かないとわからないわけですけど。
まぁ、この片渕監督のドキュメンタリー、配信もされてますが現時点でレンタルはなく「購入」だけのようですし、いずれ配信でも実店舗でもレンタルされ、またソフトがリリースされるようになったら、一見の価値はあると思います。

そしてもう1本、観て参りました。

『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』。

IMAXでも3Dでもなく、大きなスクリーンでもなく、お客さんもパラパラ……というところが淋しかったですけど、よく考えたら『スター・ウォーズ』EP9の“裏番組”ですからね。
これは『タイタニック』TV初放映の時の裏番組『借王〈シャッキング〉』、のようなもの。
それを考えたら、よく入ってた、とほめてあげたいですよ。
冒頭、シリーズ3作めなのに『2』が結果、DVDスルーになってしまったこともあって、『1』と『2』のダイジェスト映像が流れました(コレはあの『バーフバリ 王の凱旋』の冒頭といっしょですね)。
実はこの『ヒックとドラゴン』、日本以外の世界各国で大人気になっておりまして、TVシリーズなんかもいっぱい作られているんですね。
そのせいか、前2作と比べると、どうもストーリー展開だとか、まつわる雰囲気が、時代の風潮に合わせたのでもないんでしょうが、あっさり風味、なんですよね。
もちろん、動きであるとか、3D効果であるとか(日本ではほぼ関係ありませんが…)、かなりがんばっていて、満足度も高いんですけど、「あー……そうスかー……」みたいな感じで、ちょっと地味に終わってしまうのが惜しいかな~、というのがありました。
面白いし、ファミリー層にも大人の方にもおすすめはできるんですが、『1』も『2』も観て、wktkしながら(全裸待機はしない。寒いから…)待っていた、日本のそんなにコアじゃないファンにとっては、ちょっとだけ残念な完結編だった、かもしれません。

まぁ、タイミングのわりにクリスマスのネタでもないし、どちらかというとマイナスなネタだし、どうかなー、とも思ったんですけど、こういうネタはさっさと供養するに限るんです。
というわけで、2020年の“お正月映画”の中で期待している作品は唯一、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が残ったわけですが、こちらの方も少し、心のハードルを下げて、年内に観ることにしたいと思います(報告は年を越すかもしれません。その時は、ごめんちゃい)。
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