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まだまだあった、八代亜紀さんのレア・トラックス!(CD編) [音楽]

聴きました。
八代亜紀さんの古賀メロディー、テイチク時代のレコーディング。
どうやら、テイチクに所属すると、ほとんどのアーティストの方は、古賀メロディーをレコーディングするのがならわしらしく(今も一部、続いているかと思われますが)、亜紀さんもおそらくアナログLPで2枚分・24曲近くはレコーディングしているのではないかと推察されます。
それにしても、テイチク時代のオリジナル曲以外の亜紀さんのレコーディング、とにかくバラエティーに富みすぎ!
筒美京平さん作曲の「東京ららばい」「飛んでイスタンブール」から、「影を慕いて」「酒は涙か溜息か」まで、まぁ、近年のボーダーレスなご活躍も納得がゆくラインナップではあるのですが、なにしろその量というか曲数が膨大で、いったいどうやって亜紀さんはノド・体調・健康を維持していたのだろうかと、はるか昔のことながら、勝手に心配してしまうオレだったのでした。
……あ、そうそう。亜紀さんの古賀メロディーのことでしたね。
もともと亜紀さんの男歌には定評があり、ここでもそのあたりはうまくこなしておられますが、メロディーラインがちょっとカワイイ感じの楽曲になると、これがまたキュートな魅力を発散しておりまして、「東京娘」桜たまこさんのヒット曲とは同名異曲)なんか、モダンでキュートで、いいですよ。
最近はオンエアされる頻度も減ってしまいましたが、『ラジオ深夜便』の3時台で時々オンエアされる、戦前の流行歌のハイカラでモダンな感じ、そのエッセンスは亜紀さんの歌う古賀メロディーの中にもあって、よく感じ取ることができ、とても素敵です。

さて、今日のタイトルにある「亜紀さんのレア・トラックス」なんですが、これはCDで集めている場合と、アナログで集めている場合とで、かなり事情が違ってくるようです。
たとえばアナログ中心派の方の場合、テイチク時代のオリジナル・シングル曲のコンプリートは比較的簡単ですし(以前書いた通り、いまだCD化されていないシングルA面曲が2曲だけあるのです…)、レアなシングルとなると、横浜・伊勢佐木町の商店会が制作した(で、合ってるよね?)

「モール・イセザキ」

とか、そのくらいだと思いますし、CD化されていないシングルB面曲、アルバム曲などに関しても、とにかく「ブツはある」わけですし、そう高価でもないので、入手に難儀することもそうないとは思うんですけど、これが「CDで集める」となると、なかなか難儀なんですよねコレが。
こう、なんというか、日々手さぐりでいろいろ物色していると、本当に偶然に、ものすごいレアな楽曲に遭遇することがあるんです(もちろん、アナログ中心派の方々には、よくある曲かもしれないんですけど)。
それが今回、ご紹介する

「お父さん」

と、

「お母さん」

の、2曲です。
これら2曲の尋常でないところは、どちらにも「愛ひとすじ」川内康範先生がからんでおられることで、「お父さん」は作詞(作曲は「なみだ恋」や最新シングル「明日に生きる愛の歌」などを手がけている鈴木淳さん)、「お母さん」は作詞・作曲の両方を担当されています。
リアルタイムでは結局、アルバムに収められて発表されたようですが、2曲ともかなり力が入っておりまして、「お父さん」は歌が始まる前に、ちょっと長いセリフがあります。
タイトルも「お父さん」「お母さん」で、対の関係ですし、ちょっと考えるとこの2曲、シングル化前提で制作されたとみるのが自然だ、という気がしております。
だがしかし、なんでこの2曲が当時、アルバム収録で終わったのか。
それもまた、けっこう容易にわかってしまうところが、ちょっと悲しかったりするわけですが。
それはこの「お母さん」の歌詞が、同じ川内康範先生の作詞による名曲で、近年騒動にもなった

「おふくろさん」

と、ほとんどいっしょだ、ということなんですね……。
確かに同じ川内先生の作品とはいえ、「お母さん」の歌詞(「お父さん」「お母さん」2曲とも、ネット上で読むことができます)は、あまりにも「おふくろさん」っぽ過ぎやしないか。
おそらく、そのあたりのなんだかんだがネックになって、この「お父さん」「お母さん」の2曲は、アルバム収録のみに終わってしまったのではないでしょうか。
で、この2曲。
いま、どんなCDに入っているかといいますと、テイチクではなく、徳間ジャパンから出ている

『R 50's 本命 親子唄~父さん~』
『R 50's 本命 親娘(おやこ)唄~母さん~』

という、比較的安価な2枚のCD、それぞれ1曲めに収められているのでした。
他の選曲は比較的地味ですが、演歌系のコンピレーションとしては聴きやすく、なかなかいい曲が揃っているように感じます。
『~母さん~』の方には、問題の「おふくろさん」や「岸壁の母」といった超メジャーな名曲が、
そして『~父さん~』の方には《演歌版リンリン・ランラン》とでも呼ぶべき(?)祐子と弥生のお二人による「父さん」、そして当時やたらと売れていた「おやじの海」プラス「◯◯酒」という曲名の無数のヒット曲、そこへ「北国の春」っぽい雰囲気を盛り込んで、よし、これなら大ヒット間違いなしだ! という、企画会議の様子がまるで目に見えるように浮かんでくる(結果は中ヒットぐらい)、朝田のぼるさんの

「おやじの酒」(!!!)

なんてところも入ってたりします。
まぁ、いずれにしても「お父さん」も「お母さん」も、いい曲には違いないです。




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