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映画『サウナのあるところ』は『ドキュメント72時間』×『北の国から』だった?! [映画]

日本各地で順次公開中の映画『サウナのあるところ』。
サウナの本場・フィンランドのあちらこちらにある、さまざまなカタチのサウナを見せながら、そこで汗を流しつつ、下半身丸出しで過去や現在の打ち明け話をし、時に涙する男たち。
主につらい、暗い、悲しいエピソードの合間合間に、フィンランドの美しい自然の情景がインサートされている。
要するにこのドキュメンタリー映画は、記事のタイトル通りで、下半身無修正の『ドキュメント72時間』に『北の国から』のフレーバーを漂わせた、人生というものについていろいろと考えさせられる作品、ということができるだろう。
実はコレ、9年前に作られた作品で、男は男らしく虚勢を張って愚痴などこぼさず、まして人前で泣くなどもってのほか、という、それまでフィンランド国内にあった雰囲気に一石を投じる……、そんなような製作意図もあったようなのだ。
確かに、80分ちょいのこの映画を観終わっても、別にほんわかすることもなく、サウナに行きたいな、と思うこともない。
気心知れた仲でもなければ、デートムービー向きとも言えない。
でも、不思議な味わい、妙な面白さは、確実にある。
不思議といえばひとつ、オトナの男の下半身は無修正だったが(なのでR-15指定です)、お子ちゃまたちの下半身にはうまいこと修正処理がされていた。これもたとえば国会とかでアグネスががんばった成果のひとつ、なのだろうか。
まぁ、いいけど。

最後に。
この映画についてググる時は、たとえば「映画 サウナのあるところ」と、必ず「映画」をつけてください。でないとご近所のサウナやスーパー銭湯の一覧が、検索結果としてダラーッと表示されることになるかもしれません(経験者は語る)。
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『この世界の片隅に』増補改訂版、『ヒックとドラゴン“3”』……今年の映画は最後までわからない。 [映画]

実は、映画はそんなに本数観ないほうなので、本当だったらどうのこうの語れる立場でもないんですが、やっぱり今年・2019年は、なんというか「不思議な年」だったので、カウントダウンまで残り時間も少ないいま、ちょっと気が早いんですが《年間マイベストムービー》のことなんかも考えに入れながら、どんなもんか、ちょっと考えたりしてみたいと思います。
まぁ、《年間マイベストムービー》、なんつっても要は「1位はコレ!」ぐらいのお話であって、ランキングはその結果として出てくるもの、という感じになってきているのですが。
2019年・ここまでのトピックといえば、「対処に困る作品の頻出」、でしょうか。
近い例でいくと『ジョーカー』なんかは「もう、今年のマイワースト決定!」、とか言えたらいいのに言いきれない「なにか」が残る問題作ですし、それと、なんといってもあの、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』の、ということはある意味《信頼のブランド》と呼んでも差し支えなかった原恵一監督の、『バースデー・ワンダーランド』における(本当にらしくない)大ズッコケっぷりときたら。
まぁ、細田守監督も2018年に『未来のミライ』で、やっちゃってますけど、『バケモノの子』とかでその予兆みたいなもんはあったわけで、まさか原監督が……巨人の若大将が(その原監督ではない!)……というぐらいの、かなりしょっぱいものを提示してしまうことになるとは。
でもね、そういうのはしょうがない。みんな、人なんですから。
黒澤明監督だって木下惠介監督だって、ずっとさかのぼってゆくと、まぁ何かしら、やらかしてはいますし、赤塚不二夫センセなんか、もう「やらかしだらけの天才」ですから。
というわけで、今年も残り少ないわけですが、そのギリギリになったところで公開される中に、《年間マイベスト》にかかってきそうな作品が、いくつもあるわけです。
まずは12月27日公開予定、『男はつらいよ』シリーズ“第49作”。
……いやいやいや、これどっちに転ぶかわからないでしょ、本当に。
もちろん、まだあります。
12月20日公開予定、『この世界の片隅に』に追加やいわゆる「加筆」等も行った“増補改訂版”、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』。
同日公開予定、ドリームワークスの海外で大人気の3DCGアニメ映画シリーズ、第3作にして完結編『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』。
もちろん今回の『この世界の~』は“完全新作”ではないので、そこをどう判断するか、というのはありますが、これだけでも困っちゃいますよ、本当に。
あ、“アナ雪2”もあったな(でも、ディズニーの続編だからな……)。

まぁそんなわけで、あなたにはあなたの、私には私の《年間マイベストムービー》が、きっと現われるはずなので、残り2ヵ月、そのあたりも楽しみにしながら映画を観る(もちろん、早い時期に公開された映画は、レンタルや配信でフォローもできますし)、というのがよいかもしれません。

あ、現時点でのオレの《年間マイベストムービー》、ですか。
コレ、先述の『バースデー・ワンダーランド』と同じ日、“保険”のつもりでチケットを買っておいて、ほとんど期待しないで観たんですけど。
『えいがのおそ松さん』、です……。
コレは11月6日にソフトがリリース(レンタル等も開始)されるので、また改めてお話することになると思います。
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ハライチ・岩井勇気『僕の人生には事件が起きない』が面白すぎる理由(わけ)とは。 [本]

さて、何でしょうね。
実際買って愛読しているオレにも、よくわかりませんが。
あ、この記事のタイトルの(わけ)というのは、あまり意味はなくて、最近こう、ムード系の昭和歌謡がマイブームのひとつとしてありまして、“三味線屋の勇”こと中条きよしさんの往年のヒット曲のタイトルがまさにコレ。「理由」と書いて“わけ”と読ませるんですね。
歌い出しが「あの人と 別れた理由は 何でもないの」というわけで、何でもなかったようで何よりです(なんだそりゃ)。
そんな余談はさておき、とにかく売れてますね。
最近は“腐り芸人”なんて呼ばれたりして、不思議な売れ方をしている、ハライチのボケ&ネタ作り担当、ネコとアニメとパンサーの向井くんと千葉雄大くんが大好きという、岩井勇気さん初のエッセイ集『僕の人生には事件が起きない』(新潮社・本体価格1200円)。
本のプロフィールのとこには、愛猫のモネちゃん(かわゆい!)を抱っこした岩井さん。
あと「アニメと猫が大好き」とだけ、書いてあります(ま、そりゃそうか)。
この本は、「いかにも」な感じの「芸人が書いたエッセイ本」ではないんですね。
たとえば、先に挙げた“好きなもの”については、少なくともこの本の中では1ミクロンも触れていませんし、ネタ作りの苦労だとか売れる前の苦労話みたいなものもありません。
基本、日常というか、お休みの日の出来事だったり、仕事とあまり関係ない時間に起こった出来事について書かれているのですが、そんな中に「ささやかな狂気」とでも呼ぶべき、“ちょっとおかしい、不思議な感じ”が紛れ込んで来たりするわけです。
たとえば、あんかけラーメンのおつゆの味にハマってしまい、そのおつゆ「だけ」を水筒に入れて持ち歩き、ふとしたひとときに口にしたりする、岩井さん。
たとえば、“怪談バー”へ行き、怖い話を堪能したその帰りに乗ったタクシーで、運転手からその日もっとも恐ろしい話を聞かされる、岩井さん。
それはたとえば、ハライチの漫才での、岩井さんのボケが次第に「なんか、ヘン」になってゆく、あの感じに似ていなくもありません。
あの独特の言語感覚を、うまく言えないけれども、まぁ“翻訳”すると、こんな感じになるかなぁ、とでもいうのでしょうか。
この面白さは「すこし不思議」ではなく、「かなり不思議」です。
あなたもぜひ、読んでみてはいかがでしょうか。
……いや、違うな。
もしおヒマだったら、どうぞ。
(Amazonの方ではレビューも書いてますが、今回の記事はそれとはちょっと違う角度から攻めてみました)

僕の人生には事件が起きない

僕の人生には事件が起きない

  • 作者: 岩井 勇気
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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「『もうダメだ!』と思ったら読む本」を、読んでみた。 [コンビニ本]

最近、なんか『ジョーカー』を観たせいでもないんでしょうけど、身の回りのいろんな物事に追い回され、追いつめられているような感じがしてしょうがないんです。
ひとつひとつは、つまらん事ではあるんです。Windows 7から10へのデータやなんかの移行をどうするかだとか。
でもね、なんか切迫してしまってる。
いったいどうしたものか。
そんな気持ちでいた時、ふとコンビニ、正確にはファミマ、いやいやファミリーマートの雑誌のところに置いてあった、一冊の本に目がいったんですね。
前からあったような気はしていたけど、そんなに気にはならなかった、その本のタイトル。

「『もうダメだ!』と思ったら読む本」

今こそ、まさにその時だ。
そう感じて、新書サイズのその本をカゴに入れ、おやつのパンなんかといっしょにレジに持ってったのでした。
帰って、その本のページを開いてみると、なんとも活字がデカい。
細かい活字で、ああしなさい、こうしなさい、と書いてあるものとばかり思っていたオレは、いささか拍子抜け。
でも、なんかこう、めくっていくと、なんかいい言葉がいっぱい載っている。
なんだ。
要するに、“名言集”じゃん。
でも、いちいちしみて来るんです。
大昔の哲学者の言葉から、コミック、映画、ドラマのセリフまで。
知ってたものも、知らなかったものもありましたが、気がつくと心がおだやかになっていることに気づいたのでした。
ソローの『森の生活』からの一節、

「貧しくとも 君の生活を愛したまえ」

なんて、いいじゃないですか。
いちいち「つまんない」とかブーたれてる場合じゃない、そんな気にさせてくれる名言です。
で、オレの手元にあるその本は、2019年6月発行、と書いてあり、小さな活字で載っている追加情報が、けっこう新しくなっています。
ただ、Amazonとかで検索をかけてみると、かなり前から同じタイトル、さまざまな表紙デザインでずっと出ていたようで、ものによっては1円から出品されています。
中には

「今度こそ『もうダメだ!』と思ったら読む本」

なんてのもあって、笑いました。
続編、みたいなことでしょうか?
でも、面白いですよね。
そっちも読んでみようかな?
(たぶん、中身はだいたい同じだと思う……)
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映画『ジョーカー』が“年間マイベストムービー”にランクインできない理由。 [映画]

『ジョーカー』を、IMAX(字幕)で、観ました。
いや、もう、なんて言ったらいいんでしょうか。
ただ「怖い」だけでなく、「痛い」「キツい」「つらい」「悲しい」がいっぱい詰まった、煮こごりのような映画でした。オレには。
エンターテインメントとして成り立っているし、振り切れていると思うし、そこは理解するんですけど、その「振り切れ」の塩梅がハードコア過ぎて、オレにはどうも、ムリだったみたいで。
メンタル方面にぐいぐい来られて、ひとり、荒涼とした砂漠に取り残されたような後味。
だから、映画としてとてもよくできていますし、面白く鑑賞できる方もいっぱいいらっしゃるだろうとは思うのですが、本年・2019年の“マイベストムービー”へのランクインは、ないですね。
ひとことで言うなら、評価不可能、です。
言い換えるなら、1位だ3位だと、そういったところへ入れ込めるような、そんなお手軽な映画ではない、ということも言えるでしょう。
どんなに頑丈なハートをお持ちの方であっても、この『ジョーカー』を観るにあたっては、ちょっとした【覚悟】が要るのではないか……、そんな風にも思います。

それにしても、主演のホアキン・フェニックスは、よくやりきった、そう感じています。
そのことに関して、オレは絶賛の拍手を惜しみません。
お兄ちゃんのリバーもきっと、雲の上から微笑んで見守ってくれていることでしょう。
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元ベンチャーズのジェリー・マギーをしのんで。 [音楽]

元ベンチャーズのジェリー・マギーが亡くなった。
ソロ公演のため来日中で、そのリハーサル中に倒れ、そのまま都内の病院で……ということだ。
と書いても、まだまだ実感は湧いて来ない。
ちなみにジェリー・マギーという人は、近年のベンチャーズのアーティスト写真でいくと、背が高くスリムでイケ……いや、ハンサム・ガイで、享年81という事実が信じられないほどに、とても若々しくみえる人だ。
さらにいうと、ベンチャーズはここ数年の間に、なんというか、これまでを支えてきたメンバーたちが次々にリタイア、あるいは亡くなって、ぶっちゃけると“オリジナル・フォー”と呼ばれたうちのひとり=ドラマーのメル・テイラー、の息子であるリオン・テイラーを残して、あとは(失礼ながら)“よく知らない人たち”が《ベンチャーズ》を名乗って、今年の夏も日本を回っていた、というわけだった(これまたちなみに今年のツアーの日程で、東北地方は完全スルーだった。失礼な話である)。
それにしても、ジェリー・マギーという人、ベンチャーズにとっても大きい存在だったことは確かなのだが、アメリカン・ロックの歴史の中でも、オレはそんなによく知らないけれども、なかなか重要な位置を占めていた人だったようなのだ。

1965年に発生した、日本での過熱気味ともいえたエレキ・ブームの、まさに中心的存在だったベンチャーズ。
そのブームが一段落ついたあたりで、こちらも重要人物で過日亡くなられたノーキー・エドワーズがバンドを抜けることになり(のちに戻ってくるのだが)、その抜けた穴を埋めるという重要な役割をオーディションで射止めたのがジェリー・マギー、というわけだった。
ジェリー・マギーがいた時期のトピックとしては、近年も新しいシリーズが人気を得ているTVドラマ『ハワイ・ファイブ・オー』の同名テーマ音楽が、ベンチャーズにとってアメリカ本国で久々の大ヒットとなった、ということがある(この大ヒットのために、1969年だけ、ベンチャーズの日本公演はなかった、というエピソードもある)。ただし、実際に聴いてみると、演奏の中心はスタジオ・ミュージシャンたちであり、エレキ・ギターはホーン・セクションの背後で地味に響いている程度で、「いかにもベンチャーズらしい曲」とは、ちょっと言いづらい。
だがしかし、やはり近年のライブでは盛り上がる1曲となっていた。
近年のライブでのジェリー・マギーというと、他にはアコースティック・セットで「京都慕情」などを演奏するパートのハイライトとなっていた、「クラシカル・ガス」という曲での、魂のこもったようなギター・ソロ。そして、エレキを奏でながら会場内をぐるっと一周りする「朝日のあたる家」でのパフォーマンスなどが、思い出される。

ベンチャーズでの活躍、そして、それ以外におけるキャリアなども鑑みると、ベンチャーズ・マニアでもある山下達郎さんがラジオで特集を組むのも必然の動きかとも思われるので、今はそれを、静かに待ちながら、遺されたレコーディングやライブ・パフォーマンスで、しみじみとジェリー・マギーという人を偲ぶことにしたい。
安らかに、お眠りください……。

“オリジナル・フォー”最後のひとりで、もちろんジェリーとも多くの日々を共にしたドンさん=ドン・ウィルソンも、きっと淋しく悲しい思いをしておられるだろうな……。
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