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映画『殺さない彼と死なない彼女』について……と見せかけて玉山鉄二について書く。 [映像作品]

実は、この前の週末、「奥華子さんが主題歌『はなびら』だけでなく、劇中音楽も担当している」というのを聞きつけ、その辺の興味と、あとTBSラジオほかでオンエア中の『アフター6ジャンクション』・金曜のコーナー「ムービーウォッチメン」で宇多丸氏が好意的に取り上げていたこともあって、全国順次公開中の映画『殺さない彼と死なない彼女』を、観てきました。
うーんとね、この映画について語るのは、けっこう難しい。オレには。
「何もない」と言ってしまうと元も子もないんだけど、語るコトバが、見つからない。
だがしかし、かなりいい映画だったことは確かで、いっしょに観たひと、このひと、普段ほとんど感情を表に出して泣いたりすることのないひとなんだけど、そのひとがけっこう感動していた様子で、そういう様子をみることができたので、自分的にはオッケーだったし、他のいっぱいある、いわゆる《キラキラ系青春恋愛映画》を普段避けているような方にこそ、ぜひ観ていただきたい、そんな、心に残るいい映画でした。
なお、奥華子さんによる主題歌「はなびら」は、レンタルも開始されている15周年記念の3枚組ベスト『ALL TIME BEST』、および『殺さない彼と死なない彼女』のサントラCDにも(こちらは別バージョンで)収録されています。

さて、というわけで、玉山鉄二の話をしよう。
オレの中での玉山鉄二という役者さんのイメージというと、某戦隊ものは見ていなかったので、やはり映画『逆境ナイン』、そしてオレが唯一、第1話から最終回まで皆勤賞で見た朝ドラ『マッサン』、ということになるかと思うのだけれども。
このあたりの頃は、まだまだ作品そのものの面白さが先に来ていて、玉山鉄二という役者さんの魅力に気づく、というところまでは至らなかったのだった。
近年のよく知られた他の作品、たとえば『離婚弁護士』あたりは見ていなかったので、お話にならないと言われてしまえばそれまでなのだが、それがここに来て、ようやくわかった気がするのだ。
それも、映画や地上波ドラマではない、Netflix(ネットフリックス)で配信されているドラマ(なので、今回のカテゴリーは「映像作品」なのだ)『Jimmy~アホみたいなホンマの話』『全裸監督』における玉山鉄二。
これが、ものすごく、いいのである。
ジミー大西と明石家さんま、この二人の長年にわたる不思議な関係を、さんまプロデュースのもとドラマ化した『Jimmy』。
エロで稼ぎ、しくじり、それを繰り返しながらもまだまだやる気の村西とおる監督をめぐる、狂騒的な日々を描いてゆく『全裸監督』。
これらの作品で、玉山鉄二はとても重要な役柄を演じている。『Jimmy』に至っては「明石家さんま役」である(当初、さんまを演じていたのは小出恵介だったが、件のトラブルにより玉山鉄二に交代し、該当する場面はすべて撮り直しとなったが、見ている限り、それを感じさせる部分は殆どなく、ジミー大西を演じている中尾明慶の演技は素晴らしい。あと、『全裸監督』で全裸になるのは玉山鉄二ではなく、まるで憑依したかの如くに村西とおるを演じきっている山田孝之だ)。
しかし、それでいて、これらの作品での玉山鉄二には「俺が俺が」感が、まるでない。
どちらにおいても、どちらかというと“受け”の芝居に徹している。
“受け”というか、相手の芝居を“受け止める”立場、とでもいうか。
しかし、その安定感ときたら、他の役者さんにはちょっと出せないものである。
といっても、これとて、玉山鉄二という役者さんの持つ引き出しの中のひとつに過ぎないのだろう。
つくづく、いい、というか、スゴい役者になったものだ、と思う。
この感覚、十数年前、とある映画でエンケンさん(遠藤憲一)のスゴい芝居を目の当たりにした時以来のものかもしれない……。

『Jimmy』、そして『全裸監督』
機会があったら、あなたも、ぜひ。(文中ほぼ敬称略)

☆『Jimmy』エンディングテーマ「最後の夜汽車」収録アルバムは、こちら。

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